井山三希子さんをたずねて

2003年8月25日 月曜日

井山さんの工房兼お住まいを訪ねるのはこれで三度目となります。お邪魔するたびに美味しいお茶やお昼ご飯をご馳走になり、お部屋に飾られている彼女のお気に入りのもの等を見ていると、穏やかな生活ぶりが感じられほっと落ち着いてしまいます。
女性同士とか、比較的近い場所だからという理由だけでなく、井山さんをお訪ねしたくなるのはこんな彼女のキッチンが大好きだからです。
そんな日常から生まれてくる作品も、シンプルで使いやすく、白と黒の二色というのも気持ちよく、大好きです。

井山さんはずっと型を使って器を制作しています。
型成形というと、シャープなラインのどちらかというと硬いイメージを抱きがちですが、井山さんの作品はとても柔らかく、ぬくもりがあります。
土や釉薬からくるイメージだけでなく、ともすれば硬くなりがちなシンプルな形の中に、ふわっとした柔らかい部分があります。
きっとそれは彼女の人柄が自然とでているのだと思います。
二色と決めてしまった思い切りの良さと、にじみ出るあたたかさがバランス良く表現されている器です。
また、器以外のモノもさりげなく制作され、彼女の楽しい感性を感じます。

作家の仕事場やご自宅を訪問していつも感じることは、生活と人柄と作品が重なることです。
こうして私は大きな安心感とエネルギーを頂いて帰ってきます。
ひとつだけ非常に残念なのは、井山さんのお宅には猫ちゃんがいること。
恥ずかしがり屋でお客様の前には姿を見せないのですが、私は猫毛アレルギー
なのです! 長い時間居ると必ず鼻水だらり、涙目、となってしまいます。
まっ、かえって長居することなくちょうどいいのかもしれません。

「光の器」 扇田克也ガラス展

2003年8月22日 金曜日

2003.8.22.fri.~9.7.sun.

作歌在廊日 8/22

初めて見た作品は小さな家の形をしたオブジェだった。
そのガラスの中に白い柔らかな光が浮かんでいた。
まるで「光がたまっている」ように見えた。
扇田さんの作品は光の作品でもある。
今回の「月の光の器」と名付けられた作品でも、
意図的に残された表面のザラッとした質感と
淡い色彩が、より繊細な光を集めている。
ガラスという硬質な素材が、
もろい砂糖菓子のように見えて 美しい。

ようやく実現した扇田さんの個展です。
器を中心に美しい作品が並びます。
是非ご来店下さい。

数日前の出来事

2003年8月1日 金曜日

数日前、若いお母さんが小さな姉妹(5,6才位の)を連れて店に入ってきました。
下のお嬢さんは棒付きのアメをを食べていました。
店に入るやいなや、お母さんは「さわらないでね」と、娘たちに言いながら、自分が見たいものに夢中です。
私はそのお母さんの言葉に「またか」と思いつつ、娘さんたちに気を配っていました。
こんな光景はとてもよくあることで、小さなお子さんを連れて来るお母さんの中には同じ事を言う人がたくさんいます。その言葉を聞くたび、「こんな小さな子供に、さわるなというほうが無理」と、心の中でつぶやきます。そして、なにか起こってしまったら子供がかわいそうなので、起こらないように子供たちに気を配ります。
その日のお母さんは、何度も大きな声で同じ事を繰り返していましたが、商品から目が離れません。
そうこうしているうちに、下のお子さんがガラスの商品を割ってしまいました。
お母さんは飛んできたかと思ったら、お子さんを叱りつけ、店の外に追い出してしまいました。お子さんは泣いてドアにしがみついています。
お母さんは割ってしまった商品代金を支払うので、証明書を出して欲しいと言うのです。それは損害保険に加入しているから、保険会社に提出するためだと言います。
私はとりあえず言われたまま用意していましたが、そのうちお母さんは、泣きじゃくる子供をまた店に入れ、すごい剣幕で怒り始めました。その光景を見て、あまりに子供さんがかわいそうなので、出過ぎたことかと思いましたが、そのお母さんに、「ここへ連れてきてさわるなと言うのが無理ではないですか」と言ってしまいました。
するとお母さんは逆ギレしてしまい、「連れてきた私がいけないんですね」と興奮して、おまけに「早くして!」と怒鳴るのです。こんなになってしまってはもうダメだと思い、何も言わずに言われたとおりに証明書らしきものを書いてお帰り頂きました。私もこんな経験は初めてでしたが、そのお子さんが私の余計な一言で、後で怒られていないかと、心配になりました。
それにしてもいつも思うのは、割れ物がたくさんあると解っていて、どうして子供から目を離すの?と言うことです。子育ての大変な時には自分の好きな店になかなか入れなくて、たまには入ってみたいと思うのは普通のことです。連れてくるのが悪いと言っているのではありません。小さな子供に言葉で言って解るのなら、子育ての苦労は半分で済んでしまうと思いませんか?連れて入るなら、お子さんから目を離さず、手をつないで一緒に見るとか、同じ目線で接する事を忘れないで欲しいのです。
小さなお子さんを連れた方がみなこのお母さんのような方ばかりではありません。しっかりと抱っこをしたり、手をつないだり、ご主人やおばあちゃまとご一緒に来られ交代でみるなど、皆さんそれぞれに気を付けていらっしゃいます。
この日のことは、もしかしたら、私が言った一言がこのお母さんの気持ちを傷つけてしまい、素直になれなくなってしまったのかもしれません。決してお母さんを責めているのではなく、子供と一緒に行動して欲しかったと、言いたかったのです。
たとえ僅かでもお客様と共に過ごす時間を大切にしたいと思うからこそ、何事もないようにと、注意を払っているのです。商品が傷つくのはもちろん残念な事ですが、そんなことよりも気まずい別れ方の方がずっと悲しいです。
お互いが気持ちよく過ごすために、必要なマナーがあるのでは、と思った一日でした。

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