井山三希子さんをたずねて

井山さんの工房兼お住まいを訪ねるのはこれで三度目となります。お邪魔するたびに美味しいお茶やお昼ご飯をご馳走になり、お部屋に飾られている彼女のお気に入りのもの等を見ていると、穏やかな生活ぶりが感じられほっと落ち着いてしまいます。
女性同士とか、比較的近い場所だからという理由だけでなく、井山さんをお訪ねしたくなるのはこんな彼女のキッチンが大好きだからです。
そんな日常から生まれてくる作品も、シンプルで使いやすく、白と黒の二色というのも気持ちよく、大好きです。

井山さんはずっと型を使って器を制作しています。
型成形というと、シャープなラインのどちらかというと硬いイメージを抱きがちですが、井山さんの作品はとても柔らかく、ぬくもりがあります。
土や釉薬からくるイメージだけでなく、ともすれば硬くなりがちなシンプルな形の中に、ふわっとした柔らかい部分があります。
きっとそれは彼女の人柄が自然とでているのだと思います。
二色と決めてしまった思い切りの良さと、にじみ出るあたたかさがバランス良く表現されている器です。
また、器以外のモノもさりげなく制作され、彼女の楽しい感性を感じます。

作家の仕事場やご自宅を訪問していつも感じることは、生活と人柄と作品が重なることです。
こうして私は大きな安心感とエネルギーを頂いて帰ってきます。
ひとつだけ非常に残念なのは、井山さんのお宅には猫ちゃんがいること。
恥ずかしがり屋でお客様の前には姿を見せないのですが、私は猫毛アレルギー
なのです! 長い時間居ると必ず鼻水だらり、涙目、となってしまいます。
まっ、かえって長居することなくちょうどいいのかもしれません。